天神学園高等部の奇怪な面々29
「その硬貨は渡さない方がいいな、翡翠先生」

一人の白髪の男の声で手を止めた。

翡翠、奥方、射的屋の親父、三者三様に振り向く。

…そこに立っていたのは、白髪の男性だった。

「む、じぃではないか」

呟く翡翠。

「ラルフ先生」

奥方も目を丸くする。

「翡翠先生、射的屋で熱くなっちゃあ駄目だ」

ラルフは薄く笑う。

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