天神学園高等部の奇怪な面々29
「珍しいな、シルフィアが生徒指導室に来るなど」

盗撮された事に僅かに眉を顰めつつ、龍娘が言う。

「龍娘先生が退屈しているって聞いたもんだからねん、ちょっと様子見に来たのよぉん」

そう言って意味もなく薄笑いするシルフィア。

顧問のコスプレ部をほったらかしにして、何をやっているのかこのミイラ女は。

「まぁな、退屈はしている…こんなに暇な夏休みも珍しいかもしれん」

ギシ…と椅子の背凭れの音を立て、龍娘は苦笑いした。

これなら久々に帰りは飲みにでも行けるかもしれない。

夏だしビアガーデンも悪くない。

「どうだシルフィア?お前も一緒に飲みにいかんか?」

< 5 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop