天神学園高等部の奇怪な面々29
それでも尚、気に入らないという顔の翡翠の手を。

「あ!ほら!」

奥方はギュッと握って引っ張る。

「あそこ!綿飴の屋台があるよ!」

子供達がこぞって買いに来る、白くふわふわした甘菓子。

無骨でいかつい翡翠が並ぶのは、些か滑稽な気もするが。

「ここで待っていろ」

翡翠は奥方を、少し広い場所に待たせる。

「腹も大きくなってきた…人混みに入り込んでぶつかったりしては障る…」

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