天神学園高等部の奇怪な面々29
きっと貰ったお小遣いを、頭を捻って計算しながら、どうすれば沢山買えるか考えているのだろう。

そんな男の子が。

「そのけん、どこでかったの?」

目をキラキラさせながら翡翠に訊いて来る。

「む…」

困った。

川蝉は売り物ではない。

由緒正しき四季・色彩銘刀の一振り。

子供にその価値が理解できぬのは分からぬでもないが…。

「おしえてよ、いくらだった?どこのやたい?」

心底欲しいのか、男の子は真剣に問いかけてくる。

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