天神学園高等部の奇怪な面々29
「残念だったな、小僧」

隻眼で、翡翠は男の子を見下ろす。

…その様子を、奥方はハラハラしながら見つめていた。

真実を告げるのは簡単な事。

川蝉は売り物ではない。

ましてや子供が持つような代物ではない。

この男の子が今から剣の修行を始めたとしても、握るには十年は早い。

そう言って落胆させるのは容易い。

だが。

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