天神学園高等部の奇怪な面々29
「何恥ずかしがってんのさ、ほら早く」

奥方に引かれて、屋台の前に並ぶ。

「すみません、下さいな」

「へいいらっしゃい、お、幸せそうなご夫婦さんだね」

気のいい屋台の親父が、目尻を下げて言う。

「こりゃあサービスして、『三人分』を『二人分』の値段で持ってってもらおうか」

奥方の腹を見て言う親父に。

「違うな、『四人分』だ」

翡翠がすかさず言う。

「あいたぁっ!こりゃあ参った!買い物上手だね旦那!よし来た!四本持ってけ!」

屋台の親父は豪快に笑った。

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