蒼空模様



「・・・雅弥のおかげだよ。

 普通、あんなこと言った人と

 仲良くしたいと思わないから」



自嘲気味に言う美弥



「そうか?

 美弥となら、普通にいられるよ」



ちょっとだけ、嘘をついた



普通にいるのは、無理



両想いなのに、

なんで付き合えないのか

その理由が聞きたくて仕方ない



「・・・静かだねぇ」



「・・・そうだな」



「・・・このまま死んでも、いいかも。

 ・・・いや、嘘。死にたくはない」



「・・・何言ってるんだよ?」



顔を隠すように寝ころぶ美弥



「・・・私は、世のために死なないと

 いけないかもしれないって話」



「お前が死ぬと、俺が困るんだけど」



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