蒼空模様
本から目を離さずに言う梓
私が、
アイツを好き―?
いや、確かに嫌いではないけど
好き・・・っていう根拠がない
「・・・自分でわかってなかったの?」
「わかってるも何も・・・
別に、好きじゃないし!」
「無自覚。
美弥らしくない」
梓がニヤニヤしながら言ってくる
「アンタが雅弥に告れば
夏輝は見事弘君に告る。
2人はめでたく恋人同士。
みんなハッピーで済むけど」
「私はハッピーじゃない!」
「なんで?」
やっと顔を上げた梓
「だって・・・フラれる、
かもしれないし・・・ね?」
「アンタが?
じゃあ、雅弥は誰とも
付き合う気ないんじゃない?」