ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
「最近ね、ほら、ときどきこうやってあたしがオモテに出られるようになったでしょ。
あたしはうれしくて、アクセサリーショップに行ったり、ちょっとステキだなと思う男の人と……デートしたりしてたんだけど……
でも、あの子はなぁんにも覚えてないの。
頭から拒否しちゃってて、覚えてないのかなぁ」
「でもほら、さっき柚希ちゃんは、自分のことをアヤって言ってたよ」
「うん。そうだよね。変だよね。
最近、あの子とあたし、確かにちょっと混ざってきてるのかも」
あたしはぱちっと目を開けた。
目の前に、にっこり微笑む薫さんの整った涼しげな顔があった。
「今のは……アヤ?」
(アヤはどこへ?)
思わず周りを見回すあたしに、薫さんの大きな薄茶色の目が丸くなった。
「あれ、柚希ちゃん?」
あたしはあわてて壁の時計を確認する。
あたしはうれしくて、アクセサリーショップに行ったり、ちょっとステキだなと思う男の人と……デートしたりしてたんだけど……
でも、あの子はなぁんにも覚えてないの。
頭から拒否しちゃってて、覚えてないのかなぁ」
「でもほら、さっき柚希ちゃんは、自分のことをアヤって言ってたよ」
「うん。そうだよね。変だよね。
最近、あの子とあたし、確かにちょっと混ざってきてるのかも」
あたしはぱちっと目を開けた。
目の前に、にっこり微笑む薫さんの整った涼しげな顔があった。
「今のは……アヤ?」
(アヤはどこへ?)
思わず周りを見回すあたしに、薫さんの大きな薄茶色の目が丸くなった。
「あれ、柚希ちゃん?」
あたしはあわてて壁の時計を確認する。