ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
(30分くらい経ってる……?)


ギクッとして、思わず自分を見下ろした。


(よかった、ちゃんと服着てる……)


大抵アヤから戻ったときはハダカだったから。


(何も変なこと、しなかったのかな)


「あの……あたし今まで、何かしてた?」

「普通にいろいろ話してただけだよ」


薫さんは不思議そうに言う。


「今話してたの、聞こえてた?」

「多分、最後の方だけだけど……しばらく聞こえてた。

アヤの声を聞いたの、初めて」

「そうだったんだ。なかなか楽しい子だったよ」


にっこり微笑んだ薫さんに、あたしは思わず叫んでしまった。


「楽しい子なわけないでしょ!

アヤはめちゃくちゃなことばっかりして、あたしは毎回ホントに困ってるのに」

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