ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
勝手に克己とあんなことをしたり、勝手にあんなモデルをしたり……

知らない人と勝手に……


「そりゃ大変だろうね、ごめんごめん」


薫さんはあっさり謝ってポリポリ頭をかいた。


「……でもそれはさ、もしかすると、柚希ちゃんが実は興味のあることなのかもしれないよ。

何かが邪魔をして、興味があってもできないことを代わりにやっているのかもしれない」

「……」


そんなわけ……

そんなことあるはずが……………


「……って、薫さん、驚かないの?」

「そりゃ、最初は驚いたよ」

「……あたしがアヤになったって気づいたの?」

「そりゃ気づくに決まってるでしょ」


にっこり微笑んで、当たり前のように言う。


「そんなこと言っても、今まで気づいてくれた人なんていなかった……」

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