ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
(誰も何も言わないな)


あたしがスカートをはいてるなんて、変に思わないのかな。


やがて始業のベルが鳴って席に着くと、後ろからツンツンと肩をつつかれた。


「何? 麻友」

「ねぇ柚希、そのスカートどこで買ったの? かわい〜。似合ってる」

「あ、これ……」


何だかくすぐったい。


「まだ売られてないんだって。

たまたまサンプル品もらったんだ、デザインした人に」

「え〜、いいなぁ、また発売されたら教えてよ」

「もうすぐ出るらしいよ。

――ねぇ麻友、あたしがこんなの着てて、変じゃないかな?」

「変って、何が?

……ああ、ハンパ丈だから?」


くりくりした目を丸くする。

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