ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
突然つながった情報に、自分が大きく息を吸い込む音が聞こえた。


「1ヶ月ほど前だっけ?

ここを通る柚希ちゃんを最初に見たときは驚いたよ。

秋月レイに似た女の子が兄貴のマンションから出てきて、油絵持って前をすたすた歩いていくんだから」

「……」

「最初は幽霊でも見たのかと思ったよ。

でも、きっと兄貴のところに通ってるんだって思って」


あたしは小さくうなずいた。


「柚希ちゃんさ……秋月レイが亡くなったときの報道とか、知らない?」

「え?」


あたしは当時中学生だった。

当時の過熱した報道を思い出す。


「確か……俳優さんの家に泊まって朝帰りしたところを、事故にあったんだっけ」


“お泊まり愛”なんて書かれた新聞記事をテレビで見た。

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