ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
「って、薫さんは、そんなの絵見ただけでわかるの?」
「え、わかるでしょ普通」
当たり前のように言う。
「……薫さんだからわかるんじゃないの?」
「そんなことないよ。
絵を見たときの直感を素直に受け取れば、誰でもわかることだと思うよ」
「……」
「ほら、よく知らないけど、心理学実験でもあるでしょ。
箱庭作って心理状態を調べたりとか。
そういうのも同じじゃないのかな」
「ああ……」
何だか生返事になってしまうあたし。
「柚希ちゃんの絵を最初見たときは、焦りとか閉塞感、迷いを感じてね。
絵自体が固くて暗いなぁと思って。
だから、あの秋の絵を見たときは嬉しかった。
生きている喜び、自然とつながった豊かな感受性、きらめき、そんな明るいものがあふれていたからね」
「え、わかるでしょ普通」
当たり前のように言う。
「……薫さんだからわかるんじゃないの?」
「そんなことないよ。
絵を見たときの直感を素直に受け取れば、誰でもわかることだと思うよ」
「……」
「ほら、よく知らないけど、心理学実験でもあるでしょ。
箱庭作って心理状態を調べたりとか。
そういうのも同じじゃないのかな」
「ああ……」
何だか生返事になってしまうあたし。
「柚希ちゃんの絵を最初見たときは、焦りとか閉塞感、迷いを感じてね。
絵自体が固くて暗いなぁと思って。
だから、あの秋の絵を見たときは嬉しかった。
生きている喜び、自然とつながった豊かな感受性、きらめき、そんな明るいものがあふれていたからね」