ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
女の子っていいね、女の子って楽しいね。

――そんな気分。


(――アヤってこういう気分、だって?)


え、じゃああたし、柚希なのかな?


(あれれれ?)


自分が柚希なのかアヤなのかわからなくなって、わけがわからなくなった。


(あたしは、誰?)


男の子になろうとしてた、柚希?

それとも、女の子でいたい、アヤ?


(ああ――)


急に気づいた。


そっか、アヤってあたしだったんだ。


まさに自分そのものだったのに、今までどうして気づかなかったんだろう。

アヤはまさに、あたしだったのに。
< 177 / 278 >

この作品をシェア

pagetop