ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
アヤがやってたことは、そんな閉じ込めらた欲求が、短時間で鋭角的に、極端な形で出ていただけにすぎなかったんだ。

極端すぎて、なかなか“柚希”には理解できなかったけど。


そして、克己とのことも。

すべて、思い出した。


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「克己、いる?」


部活が終わって、オケの練習場所を覗いた。


「あ、柚希、もう帰る?

ちょっと待って、準備するから」


あわてて帰る用意をしようとする克己を止めた。


「待って、あたし、今日から一人で帰れるから。

それを言いに来たの」

「……え、どうして?」


克己は驚いて振り返る。

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