ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
「そうだね……。

この辺のアップローダーにデータを上げておいたら、勝手に拡散されるかな。

……学校名ぐらいは入れておこうか」


慣れた手つきでサイトを開いてカタカタとよどみなくキーボードを打つと。

送信ボタンにマウスのポインタを合わせた。


「いいんだね?」


(――え?)


穏やかな声に、大きく息を吸い込んだ。


(ちょっと待って――本当にアップする気!?)


マウスを持つ右手の人差し指が上がって……


(ちょっと待――)


カチッ


「やめて!」


クリック音とともに悲鳴をあげて、思わず両手で顔を覆ってた。

< 192 / 278 >

この作品をシェア

pagetop