ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
(うそ――)


画面がとても見られない。


(うそでしょ――)


顔を覆ったまま固まっているあたしに。

しばらくして耳元でやさしい声がした。


「――ほらね。

本当はばら撒いてほしくなんかないくせに。

心にもないことを言っちゃいけないよ」

「……」

「大丈夫。目を開けてごらん」

「……」


指の間のわずかな隙間から画面を見ると、送信フォームはそのままになっていた。

マウスのポインタが送信ボタンからわずかにずれている。


(写真、アップされてない……?)


よかった……

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