ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
街の灯りがない孤島で見た満天の星空は、この世のものとも思えないくらい美しくて。
草むらで寝転がって空を眺めながら、感動のあまり息をするのも忘れそうになっていた。
全世界、全宇宙とつながって、自分の個の存在自体が溶けてなくなって一体化したような気がして。
もう何も要らない。ただここにいるだけで、それでいい。
何もかもが満たされて、ただただ幸福のみを感じる。
そんな気になったっけ。
そのとき、今あたしたちが生きているこの社会は、何か大切なものを置き去りにしてしまったんじゃないか、なんて思った。
……そんなこと、今まですっかり忘れてたよ。
何だか、薫さんといると、自分が別の人間になっていってしまうみたい。
(こんな人、見たことない。
この人のそばに、ずっといたい)
何だか薫さんへの思いがぐっとこみ上げて来てしまって。
あたしは思い切って、ベンチの上でお尻をトントンと滑らせて、気持ちが盛り上がるままに薫さんの横にぴったりくっついた。
頭をカクンと薫さんの肩にもたせかける。
そうすると、薫さんの存在が腕や肩や頭から伝わって。
草むらで寝転がって空を眺めながら、感動のあまり息をするのも忘れそうになっていた。
全世界、全宇宙とつながって、自分の個の存在自体が溶けてなくなって一体化したような気がして。
もう何も要らない。ただここにいるだけで、それでいい。
何もかもが満たされて、ただただ幸福のみを感じる。
そんな気になったっけ。
そのとき、今あたしたちが生きているこの社会は、何か大切なものを置き去りにしてしまったんじゃないか、なんて思った。
……そんなこと、今まですっかり忘れてたよ。
何だか、薫さんといると、自分が別の人間になっていってしまうみたい。
(こんな人、見たことない。
この人のそばに、ずっといたい)
何だか薫さんへの思いがぐっとこみ上げて来てしまって。
あたしは思い切って、ベンチの上でお尻をトントンと滑らせて、気持ちが盛り上がるままに薫さんの横にぴったりくっついた。
頭をカクンと薫さんの肩にもたせかける。
そうすると、薫さんの存在が腕や肩や頭から伝わって。