ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
その笑顔を見た瞬間、気づいた。
自分の間違いに。
(――しまった)
「あたし、間違ってた」
「……え?」
突然のつぶやきに、薫さんはまた目を丸くする。
(あたし、どうして黒川さんと戦おうとしていたんだろう)
怖がって何度も逃げたり、騙して写真を消そうとしたり。
写真ばら撒けばいい、だなんて大見得を切ったり。
――敵対しても、何も生まれない。
あたしをもっと縛り付けようとして、ますます黒川さんは病的な方向に進んでいってしまうに違いない。
『北風と太陽』
有名な童話を思い出す。
そう。あたしは今まで北風だった。
自分の間違いに。
(――しまった)
「あたし、間違ってた」
「……え?」
突然のつぶやきに、薫さんはまた目を丸くする。
(あたし、どうして黒川さんと戦おうとしていたんだろう)
怖がって何度も逃げたり、騙して写真を消そうとしたり。
写真ばら撒けばいい、だなんて大見得を切ったり。
――敵対しても、何も生まれない。
あたしをもっと縛り付けようとして、ますます黒川さんは病的な方向に進んでいってしまうに違いない。
『北風と太陽』
有名な童話を思い出す。
そう。あたしは今まで北風だった。