ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
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「柚希、いいこと聞きたい?」
パンパンになった買い物袋を抱えてリビングに入ってくるなり、意気揚々とママが言った。
「え、なに?」
座ってたソファの背もたれ越しに振り返る。
「今日行った客先の会社の人のお友達に、何とO美大の講師の先生がいるんだって」
「あ、そうなんだ」
「O美大の卒業生だって。
画家としても活動してるんだってさ。
まだ若いらしいけど、結構評価されてる人みたいよ。
個人的に絵を教えている生徒さんとかもいるんだって」
「……画家?」
(評価されてる――?)
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「柚希、いいこと聞きたい?」
パンパンになった買い物袋を抱えてリビングに入ってくるなり、意気揚々とママが言った。
「え、なに?」
座ってたソファの背もたれ越しに振り返る。
「今日行った客先の会社の人のお友達に、何とO美大の講師の先生がいるんだって」
「あ、そうなんだ」
「O美大の卒業生だって。
画家としても活動してるんだってさ。
まだ若いらしいけど、結構評価されてる人みたいよ。
個人的に絵を教えている生徒さんとかもいるんだって」
「……画家?」
(評価されてる――?)