ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
「レイさんは、黒川さんを裏切ってなんかいなかったよ。
浮気相手の俳優さん――清水さんと昨日会って話して、それがわかったの。
彼女は黒川さんだけを愛してた。
清水さんとの間にも何もなかったんだよ。
あたし……それをどうしても黒川さんに伝えたかった」
「……」
「それでね、黒川さんの気の済むまで、レイさんへの思いをあたしにぶつけてって言ったの。
いろんな後悔や言いたかったこと、思いをぶつけてって。
黒川さん……ずっと信じてあげられなくてごめんって言ってた。
――あの人、泣いてた」
薫さんは、じっとうつむいて黙って聞いていた。
やがて、こわごわと口を開く。
「柚希ちゃん……君は、もしや……」
「何も言わないで」
薫さんの言葉をさえぎって、あたしはまた無理に微笑む。
「あの人は、もう大丈夫だと思うの。
時間はかかるかもしれないけど……
これ以上過去の苦しみに閉じ込められることなく、前に進めるようになると思う。
浮気相手の俳優さん――清水さんと昨日会って話して、それがわかったの。
彼女は黒川さんだけを愛してた。
清水さんとの間にも何もなかったんだよ。
あたし……それをどうしても黒川さんに伝えたかった」
「……」
「それでね、黒川さんの気の済むまで、レイさんへの思いをあたしにぶつけてって言ったの。
いろんな後悔や言いたかったこと、思いをぶつけてって。
黒川さん……ずっと信じてあげられなくてごめんって言ってた。
――あの人、泣いてた」
薫さんは、じっとうつむいて黙って聞いていた。
やがて、こわごわと口を開く。
「柚希ちゃん……君は、もしや……」
「何も言わないで」
薫さんの言葉をさえぎって、あたしはまた無理に微笑む。
「あの人は、もう大丈夫だと思うの。
時間はかかるかもしれないけど……
これ以上過去の苦しみに閉じ込められることなく、前に進めるようになると思う。