ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
二人の唇がどちらともなくそっと近づいて。
次の瞬間、狂ったように、お互いの唇を求め合っていた。
腕がぎゅっと互いの体にきつく絡む。
まるでそのまま溶け合うかのように。
(薫さん――)
新たな涙が、頬を伝った。
手がもどかしく、首や髪や背中をまさぐる。
少しでも相手に近づきたい、触れたい一心で。
(愛してる、あなたを――)
重なった唇から、絡まった指から、触れた肌から、服越しに伝わる体温から。
心がじわりと通じ合った気がした。
(薫さん――)
――と、
そのとき。
薫さんは、急にあたしから身を離した。
次の瞬間、狂ったように、お互いの唇を求め合っていた。
腕がぎゅっと互いの体にきつく絡む。
まるでそのまま溶け合うかのように。
(薫さん――)
新たな涙が、頬を伝った。
手がもどかしく、首や髪や背中をまさぐる。
少しでも相手に近づきたい、触れたい一心で。
(愛してる、あなたを――)
重なった唇から、絡まった指から、触れた肌から、服越しに伝わる体温から。
心がじわりと通じ合った気がした。
(薫さん――)
――と、
そのとき。
薫さんは、急にあたしから身を離した。