ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
「……」
「君と1年間一緒にいられて、僕は幸せだったよ。
君が僕のそばにいてくれたのは、哀れみと義務感からだっていうのはわかってた。
大切な時間をありがとう。
僕はもう大丈夫だから」
「智弘さん……」
「薫はさ。
ものすごい絵が描けるだけで……
自己管理能力は全くないしいいかげんで気も利かないし、
鈍感でマイペースすぎて、見てるとほんっとにイライラするけど……」
「……?」
「心だけは生まれたての赤ちゃんみたいに綺麗な、ピュアな奴だから。
君はきっと、世界一幸せになれるよ。
薫にも、自分の好きな女の子くらい、こっちが連絡入れるのをボケっと待ってないで自分で何とかしに来いって言っておいて。
じゃあ、ね」
「智弘さん!」
最後のあたしの叫びを待たずに、電話はブツッと切れた。
「君と1年間一緒にいられて、僕は幸せだったよ。
君が僕のそばにいてくれたのは、哀れみと義務感からだっていうのはわかってた。
大切な時間をありがとう。
僕はもう大丈夫だから」
「智弘さん……」
「薫はさ。
ものすごい絵が描けるだけで……
自己管理能力は全くないしいいかげんで気も利かないし、
鈍感でマイペースすぎて、見てるとほんっとにイライラするけど……」
「……?」
「心だけは生まれたての赤ちゃんみたいに綺麗な、ピュアな奴だから。
君はきっと、世界一幸せになれるよ。
薫にも、自分の好きな女の子くらい、こっちが連絡入れるのをボケっと待ってないで自分で何とかしに来いって言っておいて。
じゃあ、ね」
「智弘さん!」
最後のあたしの叫びを待たずに、電話はブツッと切れた。