ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
-------
やがて、落ち着いて、あらかた涙が引くと。
あたしは薫さんを見上げて微笑んだ。
泣きはらした、ヒドイ顔だっただろうけど。
「あのね、薫さん。
あたし……あなたに言ってなかったことがあるよ」
お互い、どこかでわかっていながら言葉にしていなかったこと。
言葉にできなかったこと。
「柚希ちゃん。
オレもあるよ、君に言ってなかったこと」
薫さんもにっこり微笑んでそう言った。
ほがらかな、明るい声。
あの頃と変わらない、明るい微笑み。
太陽のように、見る者すべての心を潤す、輝くような笑み。
やがて、落ち着いて、あらかた涙が引くと。
あたしは薫さんを見上げて微笑んだ。
泣きはらした、ヒドイ顔だっただろうけど。
「あのね、薫さん。
あたし……あなたに言ってなかったことがあるよ」
お互い、どこかでわかっていながら言葉にしていなかったこと。
言葉にできなかったこと。
「柚希ちゃん。
オレもあるよ、君に言ってなかったこと」
薫さんもにっこり微笑んでそう言った。
ほがらかな、明るい声。
あの頃と変わらない、明るい微笑み。
太陽のように、見る者すべての心を潤す、輝くような笑み。