ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
がっくり頭を落としてるあたしをよそに。
克己はひとりでしゃべり続けてる。
「もちろん、うれしい方の驚きだからね、言っとくけど……」
微笑む克己の顔が近づいてきた。
手があたしの頬に伸びる。
げ。
(キ、キスする気?)
「ちょ、ちょ、ちょっと待って!」
「……?」
必死で手の甲で顔をガードする。
暗がりで、首をかしげる克己が見えた。
------
最初のショックが少し薄れてくると。
(むしろ克己でよかったかもしれない)
ムリにそう自分に言い聞かせる。
克己はひとりでしゃべり続けてる。
「もちろん、うれしい方の驚きだからね、言っとくけど……」
微笑む克己の顔が近づいてきた。
手があたしの頬に伸びる。
げ。
(キ、キスする気?)
「ちょ、ちょ、ちょっと待って!」
「……?」
必死で手の甲で顔をガードする。
暗がりで、首をかしげる克己が見えた。
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最初のショックが少し薄れてくると。
(むしろ克己でよかったかもしれない)
ムリにそう自分に言い聞かせる。