ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
「学校を出て……気づいたらここにいた」

「………」

「意識が飛んでる間、何してたか、覚えてなくて……」

「……………」

「これで、こういうの7回目なんだ。

病院に行かないとダメかなって、思ってたところ」

「…………………」


克己は長い間ぽかんとしてたけど。

じわじわとあたしの言ったことが浸透していったみたいで。

突然事態を理解したらしく、急に大声をあげた。


「……じゃあ、さっきのこと、覚えてないってこと!?」


だからそう言ってるんだってば。


「オレと……のことも?」


思わず顔が赤くなる。


「ごめん……記憶ない」

「マジで……?」

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