彼の奇声は待っている私達まで聞こえていましたので、登場時の予測はついていたのですが、〔歩けるようにならないかな〕なんて感じていました。
〔この中でやっていけるかな、この先どうなって行くんだろう、とりあえずここまできたか〕
はっきりしない入場式が終わり、各教室に別れたのです。
クラスの子供達と親御さんで教室はいっぱいいっぱいでした。
私達と友達は右も左もわからないまま、説明会が始まりました。
よく親御さんの顔をみると慣れている為か、不安感ない安心仕切った顔で座っていました。
私達は不安感だらけの顔でしたでしょうね。
やはり障害の違う、病気、まだ診断がでていない子供、先天性、後天性など見ていて、
なんでという疑問が頭の中を埋める。
また彼と同じ症状といいますか似ている子供が一人いたんです。
年長でしたが、落ち着きなく、奇声を挙げ飛び跳ねていました。
だけど歩けていたんです。もしかしてという希望が膨らみますよね、この時からうちの子に限ってという思いが、うちの子だってという表現に変わっていたことに気付かず、後で気付いた時には、彼にプレッシャーを感じさせていたんです。

そして自己紹介になりました。
1人の年長さんのお母さんがいった言葉が心に光を差したんです。
〔昨日一年通わせて貰い入学の時はここまでという思いはなく、私も疲れが貯まっていたせいか、預けて少しでも時間が作れたらという思いでした。でも通いだしてから夏休み過ぎぐらいから、なんか行動が私も分かるぐらい変わってきたんです。成長しているんだなと感じました。
また今年一年が楽しみなので、宜しくお願いします。〕

まさに聞きたかった言葉でこの施設がどうなのかわからないまま、専門の施設だというだけで動いていたように思います。

期待が膨らみますよ、入って良かったと思えるといいだろうなと、考え、私達の番になりました。
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