その瞬間、私の目からも信じられないぐらいの涙が流れて来ました。
妻に負けじとおとらないだけの思いがはじけてしまったんです。
大声で息子の名を呼んでいました。
《頑張れ、頑張れ》って。

《ゆっくりでいい、慌てなくていい、自分自身のペースで一緒に成長していこう。なっ。》

彼はゆっくりとそして着実に二本の自分の足で歩いている彼が信じられないと目を疑いながらも。

私達夫婦の気持ちが周りに伝わったらしく、その一帯が感動の渦に飲み込まれ、皆が笑顔と涙でグチャグチャでした。

私達の前を行進している彼は、
《大きくなったな、顔も大人じみて、こんな集団の中で凄いぞ。》

私達の前を過ぎて、行進も終わろうといていた時には、やはり座り込み、奇声を上げ、先生が抱っこをしていました。

《もしかしたら彼自身、私達に良いところが見せたかったんではないだろうか?そして私達が見えて、ほっと安心をいて、ここまでくればいいだろう》

こんな事を私なりに考えては、面白がってもいました。

行進も全てのクラスが終わり、各出し物へ進んでいくんです。
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