あなたの”その”足元へ
自分の思考に気付いた途端、涼はきびすをかえした。

駄目だ、おかしい。

荒々しい歩みで、別の部屋からタオルケットをとってくると、放り投げるように綺樹にかけた。

テレビを消して照明を消して、リビングのドアを閉める。


「なに?
 どうしたの?」


音が大きかったのだろう、ライナが寝室から、半分寝ぼけたままの顔を出した。


「なんでも」


ぶっきらぼうに答えて、涼は自分の寝室に入った。

最悪だ。

彼女でもないのに、上書きも何もないだろう。

変態だ。


「あーっ」


涼は一つ叫んで、布団を頭から被った。
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