あなたの”その”足元へ
校門によりかかり、両手をポケットに突っ込んだまま、こちらを斜めに見ていた。

ただ”見る”という行為。

それだけだった。

短めのショートカットにした、ミルクティー色の髪の毛。

日本人離れした線の細い、高い鼻梁。

白い肌で冴える赤い唇。

淡いベージュのトレンチコートを、ウエストでぎゅっとしばり、そでを肘までまくし上げ、白い腕を顕にしていた。

コートの裾からは細い足が伸びている。

思わずその足を見つめてから、視線を上げると目が合った。

深く深く、奥へ奥へと涼の心の中に入ってくる。

落ち着かない気分になり、涼は目をそらせた。

だけど逃れられない。

捕らわれた感じに、もう一度顔を戻した。

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