あなたの”その”足元へ
手で支えている体は、思っていたよりも細かった。

当たり前だけど柔らかい。


「お前、飲みすぎ」


状況に暴走しそうになり、つい乱暴な口調になった。


「あれが、彼氏?
 だったら、なんでこんなに飲ませんだよ」


去り際に残した台詞から考えると、今度はひっかけた男じゃないだろう。

家によって、母親に会わせるとなると。

婚約者?

だとすると、他の男に預けて帰るなんてよっぽど出来た男だ。

それか、綺樹を信頼しているのか。

いや、信頼は論外だ。

なんせ“ひっかける”女だった。


「いとこ」
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