あなたの”その”足元へ
ぽつりと綺樹が言った。
「トイレ」
歩こうとしている。
”いとこ”という言葉に安堵している、自分に動揺する。
あわてて綺樹の肩の下に腕を入れて、支える形に変えた。
トイレにたどり着くと、綺樹は涼の腕を抜いて、床に座り込んだ。
「みず」
命じられたとおり、涼がキッチンから水をとって返すと、綺樹が吐いていた。
一気に空気のアルコール濃度が、高くなる。
「あ~あ~あ~」
やれやれと涼は水のペットボトルの栓をとると、目の前に差し出した。
震える指で捕らえた後、何やらくちびるを動かした。
礼を言ったらしい。
涼はトイレを流した。
しかし見事に液体しか出ていない。
水を飲んで一息ついたらしい綺樹は、壁に寄りかかり、ぼんやりと目の前を見つめている。
自嘲した。
「利用しちゃったな」
「なに?」
「トイレ」
歩こうとしている。
”いとこ”という言葉に安堵している、自分に動揺する。
あわてて綺樹の肩の下に腕を入れて、支える形に変えた。
トイレにたどり着くと、綺樹は涼の腕を抜いて、床に座り込んだ。
「みず」
命じられたとおり、涼がキッチンから水をとって返すと、綺樹が吐いていた。
一気に空気のアルコール濃度が、高くなる。
「あ~あ~あ~」
やれやれと涼は水のペットボトルの栓をとると、目の前に差し出した。
震える指で捕らえた後、何やらくちびるを動かした。
礼を言ったらしい。
涼はトイレを流した。
しかし見事に液体しか出ていない。
水を飲んで一息ついたらしい綺樹は、壁に寄りかかり、ぼんやりと目の前を見つめている。
自嘲した。
「利用しちゃったな」
「なに?」