あなたの”その”足元へ
望むかはわからないし、それが幸せかもわからない。

彼はその時に、どう決めるのだろう。

綺樹は部屋を出ると、ライナと涼は既に出たようで、その痕跡が残っていた。

しばらく人と一緒に住んでいないからか、綺樹に奇妙な感情を抱かせる。

それに戸惑った。

キッチンの片付けられて間もない様子を、しばらく眺める。

自分で判別がつけられないのに、一先ず棚上げし、リビングにある固定電話をとった。

覚えているライナの携帯番号を押す。


「どうだった?」

「うん。
 用意できたよ。
 達馬も口ぞえをしてくれたから、金額も余裕で達した。
 彼らにとっても悪い話じゃないしね」
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