あなたの”その”足元へ
   *
涼はソファーで寝たせいか、その朝は寝不足気味だった。

ぼうっとしながら朝の支度を始める。

ライナが起きてきた。


「あら、綺樹は?」


ソファーが空なのを見て、ライナが聞いた。


「俺の部屋で寝てる」


涼は少しぶっきらぼうに答えた。

ライナがまじまじと見つめるのに、何を勘違いしているかわかった。


「違うって。
 泥酔して帰ってきたから、ベッドを貸してやっただけ」

「ああ、そう」


ほっとしたようだった。


「綺樹、帰ってきたときの様子どうだった?
 乱暴された様子はなかった?」


さらりと聞かれて、ライナの顔を唖然として見つめた。
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