あなたの”その”足元へ
何のことかと思ったら、さっき校門にいた女の姿があった。
「どうも」
口の中で答えた。
だけど、視線の種類が違うと思う。
言うなれば、柵の中の動物を見ているような感じ。
自分を含めた部員たちと、見学している女の子たちを、観察している感じがした。
気が散る。
もの凄く気になってしょうがない。
今日何度目かのミスをして、涼は両膝に手を突いて上体を屈めた。
「どうした涼。
調子わりーなー」
涼はうなってから、振り払うように勢い良く体を起した。
気合を入れなおして、グランドを駆けだしながら、彼女のいた方に視線を走らせた。
いない。
安堵に肩の力が抜ける。
なんだか、得体の知れない不安を感じさせる女だった。
涼は息をするのを忘れていたかのように、細く長く吐いた。
「どうも」
口の中で答えた。
だけど、視線の種類が違うと思う。
言うなれば、柵の中の動物を見ているような感じ。
自分を含めた部員たちと、見学している女の子たちを、観察している感じがした。
気が散る。
もの凄く気になってしょうがない。
今日何度目かのミスをして、涼は両膝に手を突いて上体を屈めた。
「どうした涼。
調子わりーなー」
涼はうなってから、振り払うように勢い良く体を起した。
気合を入れなおして、グランドを駆けだしながら、彼女のいた方に視線を走らせた。
いない。
安堵に肩の力が抜ける。
なんだか、得体の知れない不安を感じさせる女だった。
涼は息をするのを忘れていたかのように、細く長く吐いた。