あなたの”その”足元へ
1階に着くと、無言のまま綺樹は歩いていくのに、涼も無言でついていった。
タクシーに隣り合って座る。
「一体何事だよ」
涼が静かに、だけど真剣な声で聞くのに、綺樹はおかしそうにくすりと笑った。
「仕事」
涼の肩から力が抜ける。
そうだな。
何か問題だったら連行されるだろう。
途端に自分の行動が間抜けに思え、その恥ずかしさからぶっきらぼうになる。
「過労死になるぞ」
綺樹はくつくつと笑って、窓に頬杖をつき外を見た。
「いいんじゃない?
死にたいとは思わないけど。
死にたくないとも思わないしね」
くちびるを歪めた。
「うわ、ませガキ」
綺樹は嫌そうな顔になった。
「なんだそれは」
「すねんなって」
「すねてない」
機嫌を損ねたらしくそれっきり綺樹は口を聞かなかった。
タクシーに隣り合って座る。
「一体何事だよ」
涼が静かに、だけど真剣な声で聞くのに、綺樹はおかしそうにくすりと笑った。
「仕事」
涼の肩から力が抜ける。
そうだな。
何か問題だったら連行されるだろう。
途端に自分の行動が間抜けに思え、その恥ずかしさからぶっきらぼうになる。
「過労死になるぞ」
綺樹はくつくつと笑って、窓に頬杖をつき外を見た。
「いいんじゃない?
死にたいとは思わないけど。
死にたくないとも思わないしね」
くちびるを歪めた。
「うわ、ませガキ」
綺樹は嫌そうな顔になった。
「なんだそれは」
「すねんなって」
「すねてない」
機嫌を損ねたらしくそれっきり綺樹は口を聞かなかった。