あなたの”その”足元へ
綺樹は窓の外を見つめていた。


「私にも母はいない。
 歩けるようになったぐらいに死んだ。
 その原因を作った男を私は許さない。
 だから、おまえの気持ちがわからなくもない」


急に斜に見上げて、にやりと笑った。


「だけどね、涼。
 利用するものは利用しなくっちゃだ。
 ライナを手に入れたいのなら、割り切りも必要だ」
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