あなたの”その”足元へ
リビングでは、部屋の真ん中で、綺樹が興味深そうに部屋を見回していた。


「今回はありがとう」

「どういたしまして」


綺樹は可笑しそうに口元を持ち上げた。


「その後、計画は進んでいる?」


土産といって持って来たスコッチの封を、自ら破りながら聞いた。


「ええ」


ライナのイントネーションに、綺樹は少し見つめた。


「長かったね」


労わるような口調だ。

ライナは微笑した。


「そうね」

「まずは、成功を祈って飲みますか」

「全く、あんた飲みたいだけでしょう」


綺樹は肩をすくめた。

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