あなたの”その”足元へ
「涼。
 あの子はね、やっていることは大人の世界のことよ。
 でもね、中身は本当に子供なの」


涼はライナに顔を上げた。


「だから、それを理解して、丸ごと全部抱き締めて上げられる男じゃなきゃ駄目なのよ。 
 どんなにひどい扱いをされても。
 なぜ、そうするのか、本当の所を見抜ける男じゃないと」


充分にわかっている、自分の未熟さを突きつけられ、顔をそらせた。


「だから、そういう男になるには、実家に行きなさい。
 綺樹のいるところに上がるには、それしかないわよ」


ライナは言いたいことを胃うと、朝食の席を立って仕事へと行ってしまった。
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