一つだけ、願いを
タイトル未編集
少し、暑さが増す頃の、六月下旬
あたし、崎野 琥珀は同じ中学1年の峯岸 菜奈とショッピングに来ていた
二人でキャーキャーしながら、品物を選んでるけどちゃんとした、目的はあった
「あ、琥珀!これ、アメジストだってー!」
「本当だー、これであたしも恋が出来るかなー?」
あたしの、初恋の願掛け
生まれて、一回も恋をしたことがないあたし
でも、もうあたしだって中学生
一度で、いいから"恋"がしてみたかった
その事を一番の親友の菜奈ちゃんに言ったら、気合のためと、今日ここにくる事が決まり、あたしは今、アメジストのまえに難しい顔をして立っていた
「これだと思う?」
「んー、魅力を、引き出す…かー、いいんじゃない?」
少し迷いながらあたしを見る菜奈ちゃん
ま、いーかっ、これにしちゃお
あたしは、手前にあったアメジストを一つ手に取ると、店員さんにお金を支払い、お店を出た