ポイズン
その感覚に、堕ちそうになる。

例えるとするならセックス――いや、それ以上と言った方が正しい。

思わず彼女の背に手を回し、しがみついた。

どれくらいそうしていたのだろう。

首筋から歯が離れた。

赤い目が俺を見つめた。

唇の端についた血が性的欲求を誘う。

「――正宗、様…」

俺を呼ぶその声。

不覚にも、ドキッとしてしまった。
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