ポイズン
まるで、飢えた獣のように。

月明かりが静かに部屋を照らす。

大きな月は、俺たちを見下ろしていた。


いつの間につけたのだろう?

行為に疲れた彼女をベッドに寝かせた後、俺はバスルームへ向かった。

洗面所の鏡の前を通ってバスルームに入ろうとした俺は、首筋に赤い跡があることに気づいた。

「一体…?」

彼女がつけたことは確かだ。

でもいつ…?

思い出した。

あの時だ。

油断した俺に、彼女は首筋に顔を埋めて歯を入れた。
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