ポイズン
語尾が思わず強くなった。

「愛しているヤツがいるなら、どうして俺に抱かれた?

何度も、何度も…。

俺を拒むタイミングくらい、いくらでもあっただろ?」

「それは…」

赤い目が伏せようとする。

それをさえぎるように、あげはの唇をふさいだ。

「――んっ…!」

舌を入れたら、鉄の味。

それをかき消す。

「――あっ、いやっ…!」

何で拒まないのだろう。

嫌なら、拒めばいいのに。
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