ポイズン
気がつけばあげはの手は首の後ろ。

強く抱きしめられる。

あげはにも余裕がないことはわかった。

「――正宗…」

「正義だ…!」

俺は言った。

「俺は、正義だ…」

なんて、言った。

あげはが俺以外の誰かを愛しているのはわかっている。

俺以外を愛しているなら拒んで欲しい。

でも、嫌だと思っている自分。

あげはに拒まれたら、俺はどうなる?

たぶん、生きて行けないだろう。
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