ポイズン
いなくならないで…。

離れないで…。

消えないで…。

ただそれだけの思いを言葉で言う代わりに、突きあげた。

「――正義、様ァ…」

あげはが俺の名前を呼ぶ。

重症だと思った。

名前を呼ばれただけなのに、こんなにも嬉しいと思うなんて。

「――あげは…!」

愛し過ぎて、怖い。

あふれ出しそうで、怖い。

――クロスケって、ウソつくのがヘタだね

いつか言った秋風さんの言葉が頭をよぎる。
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