ポイズン
聞いても、彼女の口が教えてくれる訳ないだろう。

現に、泣きながら首を左右に振っていたのだから。

「――仕方ない」

方法はただ1つ。

自分の脚で、彼女が呼ぶ“正宗”のことを調べるしか他がないだろう。

あげはを寝室のベッドに寝かせる。

『用事があるから出かける。

お腹が空いたら冷蔵庫の中のサンドイッチと弁当を食べていいから。

夜になったら帰る。

正義』

ベッドの隣にある小さなテーブルに置き手紙を置くと、事務所を後にした。
< 62 / 100 >

この作品をシェア

pagetop