ポイズン
チクリと、胸が痛む。

そうだよ…。

あげはは、違うヤツを思ってるんだよ。

俺以外のヤツを愛しているんだよ。

なのに…抵抗することなく黙って受け入れられる、大人しい躰。

愛しているヤツがいるんだったら、拒んでくれた方がいい。

躰が簡単に俺を受け入れられても、中身は泣きたくなるほど悲しいだけなんだよ。

そこに“俺”はいないって言われてるみたいで。

「――淫売が…!」

罵倒の言葉は、弱々しくて情けない。
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