ポイズン
ピタリと、あげはの動きが止まる。

「お前は、俺にじいさんと同じようなことをしようとしてる。

自分の気持ちを隠して、不幸にしたくないからと言って、自分から身を引こうとする。

そんなことしたって、お互いが不幸になるだけだ。

何の得にもなんねーよ」

あげはの頭を引き寄せた。

「ッ!?」

あげはが驚いたのがわかった。

いきなり引き寄せられたからではない。

場所だ。

「俺を吸血鬼にしろ」
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