ポイズン
俺は目を閉じた。

あげはが震えている。

大丈夫、怖くない。

怖いのは、あげはを失うこと。

ただそれだけ。

だから、怖くない。

愛する覚悟なら、もうとっくにしている。

首筋に、そっと触れた歯。

震えていた。

ためらっているのがわかった。

やがて、埋められる。

「ぐっ…!」

痛みに声が漏れる。
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